カテゴリー: 童貞シリーズ

  • 童貞の魅力

    オタク男子と付き合ってよかったこと8パターン
    まあまずはこのページをさっと読んでくださいませ。

     バブル時代から何世代分かの時が経ち、女性の社会進出が進んでいることに見られるように、少しずつ自分らしい生き方ができる時代になってきました。それに伴い、いわゆる3高…男は高身長高学歴高収入であるほど良い、といったような価値基準も今や息を潜めています。人々は多様性に対して大らかになり、個性が尊重されるようになったといえます。

     そこで今、童貞が注目されています。童貞にとってこれは追い風です。

     非童貞に対し、童貞はもちろんある面で劣るでしょう。一方で、あらゆるパラメータが評価対象になった今、童貞は往々にしてそれ以上の強みを持ちます。
     性経験がないこと自体は確かに良さとはならないでしょう。即戦力は基本的に経験者です。しかし、大きなポテンシャルを秘めた人間ほどなかなか評価されないものです。能ある鷹はその爪をむやみに見せません。ニートだと思ったら在宅で月100万を稼いでいた、不細工だと思ったら散髪した途端見違えるイケメンになった、そんな人たちは基本的に童貞です。

     女性の皆さん。新卒採用、してみませんか。

     ここでは最初のリンク先を引用しつつ、童貞だからこそ持ち得る魅力について考察していきます。無論これらは一概ではありませんが、非童貞になかなかない要素であることは確かでしょう。

        【1】未知のジャンルを教えてもらって、世界が広がった。
        【2】行き先や内容が新鮮なデートを楽しめる。

     まずはこれです。ありきたりに、流されるように女性に近付こうとしない(もしくは過去に失敗し諦めた)のが童貞です。ありきたりな男たちが常勝確実モテマニュアルを探している間に、童貞はその余したエネルギーを用いて何らかの専門分野を持っていることが非常に多いです。
     その分野とはステレオタイプ通りにアニメやゲームであったり中世哲学史やローマ神話であったり様々でしょうが、特に童貞の場合はその深さこそが特徴になります。大衆の文化に薄っぺらく染まらず、自分自身が本当に興味を持った分野を追求しているのですから、専門性が高くなるのは当然といえます。
     ともすれば、そのような人と関わるのは世界を広げることに繋がります。大衆が知らない情報に対しても敏感ですから、普通に生活している限りなかなか知り得ないような興味深い話も聞けるでしょう。親しくなれば一風変わった場所にも一緒に行けるでしょうし、とにかく多くの刺激が得られることに関しては間違いないといえます。

        【5】知識が豊富なので、会話が楽しい。

     もちろんテーマが偏っていることはあるでしょう。これに関しては全く知らない話を楽しく聞ける人にとって特に大きな魅力です。偏りすぎていて例えばときにEXILEを知らなかったりするでしょうから、そういった点を可愛らしいと評価できる場合も魅力と取れるかもしれません。
     また、逆の話をするようですが、童貞は女性に関しての知識をほとんど持ち合わせていません。そのためモテ本に書いてあるような「女性に対しては聞き上手になれ」だとか「反論せずに共感をせよ」だとか、そういったことはしない、あるいはうまくできないことが多いです。すなわち、日常よく行われがちなものとは違った質のコミュニケーションができるといえます。特別話すのが好きでもないのに相手がすぐ聞く態勢に回ってきてうんざりしている場合など、この点は魅力となるに違いありません。

        【7】情報通なので、頼りになる。
        【8】専門分野について任せられる。

     すでに触れましたが、専門性が高いからこそ童貞は多くの情報を持っています。その分オシャレなカフェには疎いでしょうが、専門がアニメであれ何であれ、パソコンやネット周りなどの知識は豊富に持っていることがほとんどです。これで頼れることが大きな魅力となるかは怪しいですが、困ったときにそつなく解決してくれる機会が得られることは確かでしょう。

        【4】一緒に趣味に没頭できる。

     元々同じ趣味を持っていた場合は話が速く、いくらでも話は弾むでしょうし、自分も相手も本当に楽しいと思える時間を過ごしていけるに違いありません。一緒にいて楽であり、かつ充実した時間を過ごしていけるのですから、何ということもなく良いパートナーとなるでしょう。

     このあたりから少し話が変わっていきます。
     童貞は女性に依存せず長く生きてきているため、その分自分の世界というものをしっかりと確立させています。それに加えて、自分と他人が違うものであると割り切り、適度な距離を保つことが童貞ならではの大きな特徴です。それもそのはずで、時間を経るにつれて同世代が彼女だセックスだ言うようになっていくのを童貞は適当に聞き流し続けているのですから、他人との距離の取り方を自然に覚えるのです。
     ともすれば、異なる趣味を持っていたとしても、童貞はその趣味を間違っても否定することはありません。関係が深まっていっても、それぞれの趣味に割く時間をきちんと確保できるように図ってくれることでしょう。

        【6】自分の価値観を尊重してくれる。

     趣味に限らず、価値観においても同じことが言えます。童貞は童貞であること自体やオタク趣味がマイノリティ、あるいは一般的に劣っているとされるものであることを自覚しているので、自分と違う物の考え方に対して寛容です。そのため関係の中で意見が食い違ったとしても、自分の考え方だけが正しいとは考えません。異性との経験が少ない自覚があるからこその謙虚さがあり、落ち着いて耳を傾けてくれるのが童貞です。
     価値観が一致しなくても互いに尊重し合える関係を求めている場合、特に童貞のその特徴は魅力となるでしょう。童貞は特に意識もせず、常日頃からそういった人間関係を作っているのですから。

        【3】ひたすら自分に一途なので、浮気の心配がない。

     最後です。童貞は基本的に一途です。なぜかというと、簡単な話で、童貞にとっては自分と話をしてくれる女性というだけですでに貴重な存在なのです。自分に対して興味を持ってくれるというだけでその女性はもう女神なのです。一度関係を築いてしまえば童貞にとってその相手はもはや唯一無二です。浮気なんて考えられないでしょうし、そもそも浮気するだけのスキルは童貞なので持っていませんし、歴の長い童貞がさらに
    相手を見つけるのは難しいでしょう。
     男性の身分だと言いにくいですが、扱いやすさ、安定性といった観点で見ると童貞は非常に秀でています。広告に載っていないからこそ安く買えるお買い得物件です。

     まとめるとこんな感じでしょうか。童貞は、

    ・何らかの専門的な世界の話ができる
    ・一風変わったコミュニケーションができる
    ・相手を尊重し、適度な距離を保てる
    ・一回落とせばこっちのもん

    であることが魅力であると言えます。

     ありきたりな恋愛に飽きてきたときにでも、身の回りのモテなさそうな男の子に話しかけてみてはいかがでしょうか。その場では素っ気ない返事をされるかもしれませんが、「あの人もしかして僕のこと…?」って考え始めて翌日眠そうな顔になると思います。
     純粋な童貞をどうぞよろしくお願いいたします。

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  • 現代こじらせ童貞論Ⅰ(補講)

    はーカッコよくてスマートでスタイリッシュなブログのタイトル早く決めないとなーと思ってるうちにGoogle検索「ここあのブログ」第一位になってました。ぜんぜん「ブログ」って感じじゃないですけどねこれ。Weblogでないどころかブログですらない。ていうかブログって響きダサくないですか、イマドキ?感ないですか。新しい言葉ができてしばらくしてから乗っかってみたらまだそんな言葉使ってんのかよ言われる時代です。最近そのサイクル活発になってきてる気がします。ファッションの流行全く気にしない層がネットスラングの流行積極的に追いかけてるってのも楽しい話ですね。

    前回の記事がそこそこ中途半端な感じで終わってる感じになってると感じてます。ゆえ続きとなるかは分からないけれど関連してぐらいの感じで。今回はもう少し力抜いて書きます。

    こじらせ童貞にとっては自己の正当性の確保が不可欠です。だからこそ周囲の人間、あるいは社会のネガティブな側面に関する情報をざくざくと集めてきます。これによって他者の価値を(自分の中で)下げていくことで相対的に自身の価値を最低限のライン以上まで持っていく手段を取るのです。この方法と特殊な強みを合わせて社会的劣等感と釣り合いを取っているわけです。
    じゃあどうしてそこまでする必要があるのでしょう。というのも。

    そもそも童貞をこじらせる原因にはどのようなものがあるのか、という話にまで戻ります。20歳まで歴が続くと、としましたが、続かなければこじらせないのです。早い話、例えば高校生のうちに同級生と何となくセックスしてたらまずこじらせないのです。つまり、どういう人の歴が続きがちなのか、というのがそのままこじらせ童貞っておおよそどんな人なの、の答えになります。
    難しいところなのでここで満を持して「承認欲求」という言葉を登場させましょう。流行りのね。
    乳児期とかそのあたりから着実に、適切な形で人から認められる経験を重ねてきていないとパーソナリティ形成が社会的な感じに進まなくて、例えば十分な自信が備わらなかったりとか依存体質になったりとかってことが起こってきます。先天的な気質とこういった後天的な環境要因からこじらせ童貞たりえる素養ができてくるんですね。
    で、自信のなさに対処するために先の正当性確保をし、依存体質から他者に多くを求めるようになる、それにつれて理想が高くなるというわけです。

    で、このような(社会目線で言うと)歪んだこじらせ童貞を情報が磨き上げていくという流れです。そしてネットの性格がそれをさらに尖らせることもあったりして。というのは。
    おおよそ2chあたりが発祥と思われる匿名文化、これがリアルに馴染めない人たちを自由にさせ、えてして攻撃的にもさせてきます。ネチケットとか最近はもう全然聞かないですし、歯止めをかけるのは炎上ニュースぐらいになっているように思われます。ある種同じようにこじらせた先人達がこぞって何やらの対象を非難し揶揄しという状態を見てしまえば、いずれ共感する言説が見つかってしまい、そこから他責的な考え方が染み付いていくのです。そうなると自省の機会は減り、とうとう社会不適応(好きな言葉じゃないですが)に繋がっていくことがしばしば。

    そして登校なり出社なりすることへの嫌悪が出てきてしまうとうつ病っぽくなってきますね。ところがこの経緯だと自責的になりすぎての落ち込みではないので不眠拒食とはならなくて、むしろ怒りに近い、外にベクトルの向いた感情を抱えているわけですから、出てくる傾向としてはその逆、過眠過食となります。ひどいこと言っちゃったな…って時は眠れなくて、ひどいこと言われたなまったくって時はがつがつ食べちゃったりしませんか。しますよね。うんうん。
    他に新型うつ病の症状とされる拒絶過敏性なり気分反応性についてもこれで説明がつきます。前者、人の言葉だとか行動をネガティブに捉えすぎることがあるのは自己の正当性が崩されることに敏感になっているからですし、うつうつすることがある一方で趣味はエンジョイしたりするというのはうつうつさせる他者やコミュニティが悪いとしているからです。
    ですから新型うつ病って名前は個人的にしっくりいってないんですよね、現代こじらせ民とかのほうがよほど言い得てる気がします。
    いやまあみんながみんなこんな経緯じゃないと思いますし新型うつ病の人って女性のほうが多いらしいんで女性も童貞こじらせるのかってめちゃくちゃですし。男性はネットのこじ童コミュ入り浸れるから病院行かないしみたいなのも一応言えますけど。

    と適当にはぐらかしておいて。ざっくりまとめちゃうと童貞がこじらせるまでのプロセスとしては、

    いくらか内向的な気質で生まれる
    →十分に承認欲を満たされない
    →コミュニケーション以外の取り柄や趣味を何かしら作る
    →20年とか経っちゃうとコミュニケーションのハードル上がってる
    →自信を失わないよう情報をまとう
    →こじらせる

    といった感じでしょうか。
    もうちょっと勉強やらおふとん哲学したらⅡの開講ワンチャンかもしれません。おわりです。

    (さらに…)

  • 現代こじらせ童貞論Ⅰ

    こじらせ童貞と新型うつ病と情報社会を結びつけて考えるのが最近の趣味でして、ということで今回はこじらせ童貞について考えていくことにしましょう。

    ぐぐってもそのまま「こじらせ童貞」ってのは引っかからないので定義づけというか、自分がこんな感じの意味で使ってるよってのを軽く解説します。
    まず普通の童貞っていうのは辞書の意味だと性経験のない男性なんですが、こちらはまだこじらせる前の状態で純粋かつ素直、性的なことに興味津々、女性に対しての関心が強くいつでもおっぱいのこと考えてるような段階にある男性のことを指しています。少し前の時代だと「童貞」と言えば基本的にこういったイメージだったはずです。ところが。
    大きな要素として様々な、またある種の色を持った情報がたくさん手に入るようになった現代において、えてして童貞はこじらせるようになりました。初体験の平均年齢や「ヤラハタ(ヤらずにハタチ)」といった言葉の存在が原因と思われますが、おおよそ20歳あたりまで歴が続いてしまった場合にこれが起こってくるようです。
    そしてこじらせることで、彼女なんてできなくてもいい、セックスとかしなくてもいい、といった考えに至っていきます。正確にはそういった考えを周囲、もしくはネット上などに発信するようになります。女性に回す金や時間があるなら○○(趣味など)に使う、といった言葉が特によく聞くものです。性的なことに関心がないわけではないのですが、それ以上に打ち込めるものに対してより重く価値を置いているのだという主張をすることが多いです。

    まずここに一つ見えるのが今ある物を最大限に利用する志向性です。日本人的な引きこもり気質と言い換えてしまうこともできますが、各人が昔から培ってきた何かしらの嗜好やスキルを利用して、他者との差別化によるアイデンティティ確立、時に優位性の保持を行っているということです。いわゆるオタクと呼ばれる人たちがコミュニティ外の人たちを「一般人」と総称するのはこれによるものでしょう。なお、こういったことが可能になったのはネットの普及によります。所属する社会集団では決まってマイノリティとなるものに価値を置いていたとしても、掲示板やSNS等を利用すれば同士が山ほど見つかります。つまり、大衆文化に染まらずとも仲間とそれについて十分に語り合える環境が現代には完成しているのです。

    そのようにしてインターネットに浸かっていくと、先に触れた色のある情報というのが次々と目に入ってくるようになります。ネトウヨ的なものもそうなんですが、まあ、合コンでこんなクソ女が~だとか、これだからメンヘラ女は~だとか、そんな感じの体験談めいた話がどんどん発信されてきます。もちろんポジティブな話もあるものの、情報を共有してくる人たちがえてして既にこじらせてしまった人であるため偏りがちなのと、自身の正当化に都合がいいため特に印象的に捉えられることになるのです。女ってこういうものなんだな、だったら別にいいや、となっていく。

    こうして自身を肯定できる/される環境に置き、かつ童貞であることに対する正当化も完了させた状態にあるのがこじらせ童貞なのです。

    しかしこじらせ童貞は女性に対する関心を失ってはいません。また童貞であるということに関してはステータスとして不名誉であると感じていますし、あわよくばセックスはしたいのです。
    その欲求を満たすためのアプローチをこじらせ童貞が考えたとき、まず先にも述べたように、今あるものをどうにか利用できないかといった発想に至ります。ところがライトノベルの必須キャラ幼なじみの女の子というのはなかなか存在しませんし、偶然いい感じの関係になってきている女性というのも余程のスペックもしくは運がない限りは見込めません。ともすれば自分から行動を起こすしかないのですが、こじらせ童貞にとってはこれが大きな壁となります。こじらせ童貞は好きなもの、得意なものを存分に突き詰め堪能してきた分、異性に対するアプローチの経験に乏しいことがほとんどです。10代から着実にステップアップしてきた人々は、その時々における目標が例えば「彼女を作る」であったり「手をつなぐ」であったりしました。ところが20歳前後、あるいはそれ以上となると目標はいきなりセックスです。自分から異性に声をかけるのも難しいところからそこまで持っていくのは極めて困難です。だからこそすぐに折れてしまう。

    さらにもう一つの問題として、異性に対する理想が高くなっていることが挙げられます。こじらせ童貞はネットの情報によってある意味多くの女性を知っていますし、また負の部分に対して敏感です。ともすれば、優しくて可愛くて尽くしてくれてすぐ怒らなくて言い訳しなくて中身のない話しなくて、といったように条件が次々と増えていきます。もっとも何かのきっかけで関係が深まればこれらはほとんどなかったことにされてしまうのですが、これを掲げておくことで自身を守れるという点が便利です。というのは、たとえ周りの異性(クラスメイトとか同期とか)と全く関係が築けなかったとしても、もし付き合えたとしても性格悪そうだし面倒だろうな、などと考えることで自身を責める必要がなくなるのです。

    こんな感じで自己の正当性を確保することで他責的になり時として新型うつ病にまで繋がっていくんじゃないかなーって考えてますが長くなったのでこのへんでひとまず終わりです。

    ちなみにこじらせた童貞は高速手マンで潮吹くと思ってるーみたいなのちょいちょい見ますけどあれはイタい童貞みたいな感じだと思います。こじらせ童貞はそんなはずはないと知っています(インターネットで)。

    (さらに…)